名人戦第六局二日目、ずっと優勢だった白番の井山挑戦者でしたが、ヨセで失速して芝野虎丸名人の防衛となりました。
棋聖戦挑戦も決めている魔王ですが、二十代の相手に秒読みのヨセ合いは厳しくなってきました。
やはり年齢的な衰えは隠せないと思います。
ヨセは余裕をもって戦うなど時間配分を考える潮時と思います。
今回の「おつ」はお疲れ様のオツですが、「堕つ」とならないよう魔王にはしばらく大空を飛んでいて欲しいと思うのは私だけでしょうか。
白148のコウ立てに対し、黒149を打つ前に残り時間のほとんどを投入してコウを譲る決断した虎丸名人ですが、このときはさすがに最終戦やむなしと観念していたと思います。
(1図:局面図)
白1を打つ前はKataGoの評価値96%超で白番井山挑戦者が2目ほどリードしている局面でした。
白1を打った瞬間YouTube中継の控室で「えーっ!?」という驚きの声があがりました。張栩九段など高段者が検討していたのでしょう。
中継を担当していた鶴山淳志八段、河野臨九段はやや( ゚д゚)ポカーンとしていましたが、やがて事の重大さに気づいたようです。
KataGoの評価値でみると白1で半目勝負に突入したようです。
黒4、白5の先手を決めた後の逆ヨセの黒6が滅茶苦茶大きかったようです。
白7の出では白9が最善で、白11が小さく敗着となりました。
(2図:解析図)
(1図:局面図)の白1ではL-16またはK-14を先手で利かすべきでした。ここを先手で分断しておけば白からD-16も先手で利き実戦の白1より明らかに大きかった。
(3図:想定図)
KataGoの想定図です。右下隅もS-2のトビコミではなくR-2のハイがよいと言っています。
https://gokifu.net/t2.php?s=5321699078808719
コメント
11月06日
01:46
1: わかめ
ちょっとショッキングな負け方でしたね・・・
自分は虎丸名人推しなので防衛は嬉しいのですが、なんかちょっと複雑な気持ちになりました^^;;;;
11月06日
07:39
2: えどわーど
わかめさん
井山ファンというわけではありませんが、最終局を観たかったので井山寄りの視点で観戦していました。
ゴールは見えているけど断崖絶壁の細い道を進んでいるようで嫌な予感がしましたが、足を踏み外した情景がまざまざと浮かびました。