えどわーどさんの日記

(Web全体に公開)

2025年
04月16日
15:27

コウを巡る攻防(北海新繹杯より)

中国の国際棋戦、北海新繹杯ですが、日本の一力遼、許家元両棋士は準々決勝で敗退してしまいました。

韓国勢も不調でベスト8に申眞諝九段しか残れませんでしたが、申九段も中国の檀嘯九段に敗れてしまいました。

世界ランキング1位の申九段が序盤早々敗勢になった一局。申九段の黒番でした。
白番の檀九段の中押し勝ち。
https://gokifu.net/t2.php?s=5841744783779938

(1図:実戦進行)
aの急場が残っている局面で、黒1とノゾキを利かしに行きました。
このタイミングで白のカウンターが2、4のハネギリ。
黒5と抱えると隅の特殊性を生かしてコウの手段があります。
コウを避けるのであれば黒5で黒7と下から抱える手がありますが、白8のアテに抜きではなく黒継ぐことになりますが、若干利かされなので実戦では申九段はコウを迎え撃ちました。

実戦は白10のコウ立てに黒アと受けたため左上のコウには勝てなくなり、ここで申九段が形勢を損ねました。
黒1とのぞいた手が無駄手に近いことになっては失敗は明らかです。

さかのぼって、黒5では黒Aと抱えるのが最善だったようです(2図参照)

(2図:変化図)
1図の黒5で黒Aと1子抱えると白2、4と絞られて白6と黒の2子を取る振り替わりとなります。
aは黒から打っても白から打っても小さいので当分放置されます。

この図が白の注文でしたが、形勢互角なので黒は注文に乗るのが最善だったようです。

(3図:変化図2)
1図の白10のコウ立てには黒は利かずにコウを解消するのが良かったようです。左下隅に手残りです。
黒3を利かして活きを残し上辺の黒5とトビで攻勢です。これなら勝負はこれからでした。