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例会やマイナーな大会で採用される持ち時間35分ですが、長考派の私からみるとノータイムの連続です。

表題のノータイムは狭義のノータイム、相手が打ったらすぐ打ち返すレベルのものとします。

まず持ち時間35分について。
一局小ヨセの半コウ争いまで最後まで打つとすると長いときには300手くらいになります。
二人で打つので半分としても150手です。
35分は35x60で2100秒。
2100秒÷150手で1手あたり14秒しか割り振れません。

そこで、時間切れを防ぐため、相手が打ったらすぐ打ち返すノータイムとなるわけですが、私レベルだと思考停止した状態で打ってしまうので打ってすぐに「うわっ！」となることが少なくありません。

本物の強者は碁笥に手を入れて打ちおろすまでの1,2秒の間に思考をフル回転させて少しでもミスをなくす努力をしています。

その点、私は脳死状態で手が勝手に動いている場合があり、そこに天と地の差が生まれるのです。

35分の持ち時間で少しでもポカを減らすにはどうするか。

１）瞬時に打ち返すノータイム打ちは禁止（瞬時に打ち返せるレベルではないことを自覚する）
　基本的にはノータイムはやらない。少なくとも一呼吸置いてから打つ
２）相手の考慮中に先読みする
　相手が予想通りの手を打ってきたときにはすぐに打てる理屈ですが、慌てずにひと呼吸おいて打つ
３）難しい変化は避ける（研究済みの手はその限りではない）
　戦いの場では難しいとか言ってられない局面もありますので、簡明で十分なのにあえて難しい道には踏み込まない、という意味になります。
　形勢が悪い時は複雑化して簡単に土俵を割らない工夫が必要なので、これは形勢が互角ぐらいか優勢のときとなりますね。形勢が悪いときはあえて複雑化することも作戦としては必要。
４）目算は最小限に
　まったく目算しないのも形勢判断が狂うもとなので作戦の岐路などタイミングを見て実施。明らかに形勢が傾いているときはあえて目算しない
５）迷わない
　AかBか迷いそうな局面は割り切って決断。形勢によって互角以上であれば自重する方向で。形勢悪ければ強めに戦う姿勢で。
６）厚い碁を心がける
　薄い碁は読みで薄みをカバーする必要があるので時間が必要。ヨセも欲張らずに手厚い手を選ぶ。
７）自陣の弱点を点検
　手薄く気になるところは相手の手番の時などに、相手からの手段を確認しておくといざ打たれた時に慌てない

水沢支部例会の第4局の続きです。
私の方にツッコミどころ満載の碁でした。
シチョウが読めていなくてシチョウを逃げ出した局面です。

局面図１（図１）
ノータイムでAと逃げ出しましたが、シチョウで取られている石でした。
Bと出るしかありませんでした。

局面図２（図２）
白２と打たれてマズいことに気づいた。相手にシチョウに追われて初めて気が付く始末。

解析図（図3）
シチョウを1手逃げたら10目ほど損しています。
すでに5目以上リードされており黒の勝率は10%を切っていましたが、シチョウの逃げ出しで必敗レベルの1%切りとなりました。