形勢が傾くタイミングはいろいろあると思いますが、身近なアマチュアの棋譜からパターンを集めてみたいと思います。
今年の東北六県大会の第二回戦、青森県vs岩手県の副将戦の棋譜を題材に選びました。
黒番が青森県副将の嶋脇六段、白番が岩手県副将の熊谷六段です。
この碁を勝った嶋脇六段が副将個人戦全勝優勝、熊谷六段は3勝2敗で2位でした。
(1図:局面図)
白1は形の急所でなるほどと思いましたが、局面は盤面右半分方面が忙しく、そっぽでした。
黒2もお付き合いで利かされです。白3のワリコミは白1とセットで予定の行動と思われますが、黒4との交換は得ではなかったようです。
白1では右辺の白Aで右下方面の黒に迫る手(黒はなんらか受ける必要があります)、白Bまたは白Cで黒を分断しつつ白の強化を図るのがKataGo師匠の推奨手で互角(やや白)の形勢でした。
(2図:経過図)
1図の続きですが、ここで白に致命的な悪手が出ます。
白1のツギは大きいですが、黒2と3子の頭を叩かれた形が酷すぎて評価値が急落しました。
この手だけならまだ傷が浅かったのですが、白3ノゾキ、白5のツギで後手を引いたのが小さくて形勢を決定付けました。
(3図:解析図)
2図の白1のツギでは3子の頭を叩かれないようにノビの一手でした。
相手の地模様(本局では左辺)を気にするあまりに全局的な見地での着手の判断が狂ってしまった典型です。
本局では左辺は地だけの問題で黒が一生懸命囲っても20目超えるくらい。白2手かけて削減してもまだ黒から打てば10目近く地が付くので後から冷静に見ればかなり小さい手を打ったことに気づかされます。
https://gokifu.net/t2.php?s=9681702564071693
コメント
12月18日
22:19
1: わかめ
中盤戦の急所(2図白2の伸び切りの部分とか)を見逃さないようになりたいです!!!
結局、勝負に直結しやすいのはこういうところだと思っているので・・・
12月18日
22:42
2: えどわーど
戦い命のわかめさんはこのノビは絶対見逃さないと思います(笑)
1図の白1の様な細かい技も眼中になく、もっと豪速球の様な手で勝負しそうです^_^