えどわーど

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えどわーどさんの日記

(Web全体に公開)

2023年
12月16日
00:12

悪手研究 分裂症

前回に引き続き、今年の東北六県大会から題材を探しました。
1日目の一回戦、宮城県vs岩手県の大将戦です。
黒番は岩手の大将の松村六段、白番は宮城の大将の吉原六段。

吉原六段は前々回の岩手大会では岩手チームの先鋒で出ていましたが、昨年から宮城県に鞍替えしました。
元岩手チームということで岩手戦以外では応援していましたが、今大会は実力を出し切れず全敗で個人戦最下位に沈みました。

吉原六段とは3,4年前まで県大会で私も2度ほど対戦していますが、ここまで成長するとは思っていませんでした。
同じレベルと思っていたのに六県の大将ですよ。足軽と大将では雲泥の差です。

(1図:局面図)
白番の吉原六段、少し無理気味に右辺に打ち込んでいきましたが、黒が厚いところを走らされてやや苦しめの局面です。
松村六段の黒4はもたれ攻めの意図でしたが、疑問手でした。
黒4では黒イを先手で利かして黒ロの三々に入って地で先行すれば黒が打ちやすい形勢だったようです。

白は黒4に対して白Aなどと相手をすると黒の思うツボなので、黒4に相手をせずに白Bとオサエるのが気が付きにくい要点でした。左辺の白の一団は眼形が薄いので多少の地を持ちながら根拠を得るのが意外と大きいようです。

次善手は白Cと黒からの三々入りを防いで地で頑張る作戦。
右辺から伸びる白の一団と左辺の大きな一団がまだ収まっていないので黒に寄り付かれそうですが黒も手を渡されると意外と攻め方が難しいかもしれません。

(2図:経過図)
白1からまともに応戦してさらに重い石を作ってしまって黒8とハザマを衝かれては一本取られました。

もともと白の弱い石が2つだったのが3つに増えてはますます苦しい。

そして白11と一番小さい石を助けたのが最後のダメ押しで黒12と進出を止められては右辺の白の一団(×印)の命運が尽きました。もがいて活きても幸せにはなれそうにありません。左辺の×印の白の一団もまだ活きていません。

白11では涙を飲んで4子は捨てて白12に出ていく他ありませんでした。それならまだ先が長い碁でした。

(3図:解析図)
2図の白1では左辺のオサエ(1図のB)で互角に近い形勢です。

https://gokifu.net/t2.php?s=4521702652958706