えどわーど

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えどわーどさんの日記

(Web全体に公開)

2023年
12月19日
21:54

悪手研究 研究負け2

AI流布石の研究量の差が形勢に影響することを実感することが多いので、このテーマでもう一題。

昨年の東北六県大会、青森開催での一戦です。
二日目4回戦山形vs岩手の先鋒戦です。

黒は山形の山崎六段、白は岩手の小林六段です。

戦前、山崎六段については情報が少なく、岩手チーム関係者の間では謎の高校生と噂されていました。
大会が始まりベールを脱いだその強さは予想をはるかに上回るもので観戦した私も衝撃を受けました。

小林六段は岩手のレジェンドと言える選手で岩手棋聖戦11連覇などの数々の輝かしい戦績を誇ります。

(1図:局面図)
白小目へのカカリに対する山崎六段の黒△のハサミはやや不自然で黒Aのコスミ(またはケイマ)等なら普通でしょうか。
上辺は白の勢力圏で上辺で戦いを起こすというのはヘボな私でも躊躇するところです。
恐らくは白Aのカケを誘って研究戦に持ち込もうという意図だったのではないかと思います。
一昔前ならハサミに対し白Bの二間に飛んだり、Cのコスミなどもありましたが、AI流が主流となった現代ではAのカケ一択の雰囲気が漂っています。

(2図:経過図)
山崎六段の目論見通り(?)、黒1のハサミに対し白2のカケ、出切りからの難しい変化へ向かいました。
白6が作戦の岐路でオサエではなくノビ(2の下)ならもう少し簡明な変化が予想されましたが、白12までは一番激しい変化です。
黒13のキリに白14ノビが疑問手で黒23まで右上攻め合い白負けで白が形勢を損じました。
右上が無条件で取られているので10、14と切った石が泣いています。締め付けも狙えません。

ただ、白に手番が回っていること、この後白Aと白Bと大きなところに回れたので、思ったほど差は開きませんでした。
白Cもタイミングを見て先手になりそうです(この手についてはまた別の日記で)。

(3図:想定図)
2図の白14ノビでは3図の白1のアテが必須だったようです。KataGoが示した変化の一例ですが、中央の戦いに発展しそうです。

https://gokifu.net/t2.php?s=7001702990457664

コメント

2023年
12月19日
22:14

1: 江場

いつも勉強になります
とは言っても、私は必要なときにKataGoに教えてもらってるだけですが
大会などで研究が必須という皆さんは大変だ 実戦を引退してよかったです(笑)

2023年
12月20日
08:03

江場さん

期末試験直前のテスト勉強みたいでなんだかな~、という気持ちにもなりますが、格上の選手をぎゃふんと言わせるチャンスも拡がったという面もあり、私は楽しく勉強(笑)に勤しんでいます。
仕事を首にならない程度に楽しみたいと思います。