岩手棋聖戦地区予選
一回戦二回戦から。
(再掲)
https://gokifu.net/t2.php?s=6191729319194631
AI囲碁ソフトを使用して検討するとAIが推奨する手はLizzie等で水色で表示されます。これをホットスポットといいます。
似たような評価値でわずかに良い着手の場合もあれば、ぶっちぎりでここしかないという着点の場合もあります。
AIの評価値は以降の着手をAI基準で正確に打った場合の値なので(それぞれ棋力は異なりますが)人間の判断と必ずしも一致しませんが、一つの指標としてはとても参考になります。
(1図:定石外れ)
黒1スベリ?は想定外の手でしたが、AIが示す最善手(黒P-16の出)にくらべ20%ほど評価値が落ち2目損となっていました。
白2ではツギが普通の応手でかつ最善でした。白2で評価値が10%(1目損)ほど落ちました。
収支は10%(1目)なので
アマチュアとしては日常茶飯事の変動です。
もっと罪深いのが白10で、この手の意図するところは黒の2子を取ろうというものですが2子取ってもうれしくなく、先手を取ってとっとと下辺Aに向かうべきでした。
評価値20%(2目損)ダウンです。
(2図:急所をはずす)
白1から黒10までの間でKataGo師匠はずっと黒も白もA地点を指し続けていました。
白からは両ノゾキの急所で右下の白一団の上部への突破口となります。
上部にでるということは左右の黒が分断されるということで
黒への攻めが期待できます。
黒も白が打たなければ一着入れたい急所でした。
私はBのキリもありここの白は安泰なので下辺白の安全を確かめることに集中していました。しかし、
守りだけでは碁には勝てません。
白11のコスミも黒模様拡大を防いで打っておきたいところ。
白が打ちやすい形勢でしたが、この辺から雲行きが怪しくなってきています。
評価値は白11時点で95%(6目リード)ですが、アマチュアの碁では互角の形勢でしょう。
(3図:白の株価急落)
下辺の白は実際はかなり余裕があるはずですが、白2、4と隅の白が痛む着手を打ってしまいました。
さすがに評価値は下がり互角(50%)から黒良しの形勢へ。
黒9、11の抜きではAの急所に守るべきで、同じく白12でもAノゾキが急務でした。
白14と卑屈に活きた段階ではこの碁で最大のリードを奪われました。
黒の評価値約99%(8目リード)です。
対局時は白悪くないと思って打っているから能天気で幸せなものです。