えどわーどさんの日記

(Web全体に公開)

2024年
10月16日
18:28

下辺のもやもや

かつて他県からイーハトーブ(岩手県)に舞い降りた強豪は何人かいました。

10年ほど前だと早稲田大学囲碁部OBのT山さんやK島さん。記憶に新しいところではO野さんも東北六県大会で岩手県チーム浮上の先鞭を付けてくれました。

古(いにしえ)の時代については故郷を離れていたのでよくわかりませんが、東北六県大会を連覇していたころのK保田さんもその口ではないでしょうか。

N海さんも岩手県囲碁界になくてはならない存在となりました。

赤旗名人戦の一回戦N海県三冠戦から。下辺のもやもやした局面。
(再掲)
https://gokifu.net/t2.php?s=3391728958430159

(1図:実戦進行)
上辺の白△はKataGo師匠の候補にはない手でした。
先手を得た黒は下辺白を利かしに来ます。

黒1の一本出は文句ない手。

黒3のハネは白に手抜かれると不急の手となりそう。
白4では手を抜いてア~カのどこかに打てば実戦より評価値は高かったようです。

実戦は白4と素直に応じました。
黒5のトビコミに白6がどうしても悔しい手です。次図以降でもっといい手を紹介します。

黒7と二段バネでしたが、この手も問題ありでKataGo師匠は白8でL-4に切って白良しの評価です。
白8は下辺の1子を先手でカミ取られるのでソッポでした。

(2図:変化図1)
黒△のトビコミに対する白の応手として、KataGoの推奨する次善の手は図の白1のグズミです。
実戦の白aのコスミより働いています。
黒bのキリを防いでおり黒△への当たりも強く外側への白ウのハネ出しの狙いも残っています。

この後、黒アとサガリでも白は手を抜いて白イに回れます。黒がここを何も打たなければ白エと出て黒ワタリなら白アとアテる手があります。

実戦のコスミの場合は白アに打ってもアタリにならないので大違いです。

(3図:真打ち)
黒△に対する最善手はなんと手抜き。白1と最大の地点に打ち、黒2にも手抜いて白3とハネるとのことです。さらに黒4と下辺を破壊しても白5と構えて全局的には互角の形勢。
真似はできませんが、「ほほーぉ。」と感心することはできます。